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このたび、三島クリニックで実施しているPTA(風船治療)の通算症例数が、2015年11月の治療開始から約10年を経て、2025年5月に1000例に到達いたしました(※シャント造設術・再建術・長期留置カテーテル手術などの外科的治療件数は除く)。

PTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty:経皮的血管形成術)は、透析患者さんの「命綱」ともいえるシャント血管を守るための極めて重要なカテーテル治療です。当院では治療開始当初、レントゲン透視下にて造影剤を使用しながら行っておりましたが、現在ではほぼ全例において造影剤を用いず、超音波ガイド下でのPTA治療を安全に実施しています。これにより、造影剤アレルギーのリスクも回避され、より患者さんにやさしい医療が提供可能となりました。

この10年間、全国の著名な先生方から多くのご助言をいただきながら、当院のPTA治療は常に進化を続けております。

中でも大きな進展としては、2021年以降、愛媛県内では数少ない「薬剤コーティングバルーンカテーテル(IN.PACT AV)」や「ステントグラフト(バイアバーン)」の使用を開始した点が挙げられます。

当院は日本透析医学会認定の教育関連研修施設であり、また院長は”愛媛県で初の「日本透析アクセス医学会VA血管内治療認定医」”です。2021年からは、日本国内で初めて承認された薬剤コーティングバルーンを導入し、治療に活用してまいりました。

その結果、これまで3ヶ月ごとにPTA治療を繰り返していた患者さんが、1年に1回、さらには2年に1回の治療で済むケースも多くなり、シャントの開存期間が大幅に改善しております。なお、この薬剤コーティングバルーンを使用可能な施設は全国的にも限られており、東予地区(宇摩地区)では当院のみです。

今後も、従来のPTA治療に加え、さらなる技術研鑽と情報更新を重ねながら、透析患者さんの大切なシャントを長期にわたって守るため、スタッフ一同努力を続けてまいります。