小児泌尿器科

小児泌尿器科診療について

小児泌尿器科とは、尿を作る腎臓、尿の通り道である尿路(尿管、膀胱、尿道)、精巣やおちんちんに病気があったり、おしっこの問題をもつお子さんを治療する分野です。余り聞きなれないかもしれませんが、小児泌尿器科の病気をもつお子さんは意外と多く、例えば停留精巣という病気は男児の約1%にみられます。
当院では、日本でも数少ない「日本小児泌尿器科学会専門医」の資格を持つ泌尿器科医が小児泌尿器科専門診療を行っています。

対応症状

このような症状や気になることがあれば、一度泌尿器科外来を受診してみてください。

  • 日中トイレに何度も行き、生活に支障をきたしている
  • おねしょがなかなか治らない
  • おちんちんが痛い、陰嚢が痛い
  • おちんちんの皮を剥いた方がいいのか分からない、どう洗ったらいいか分からない
  • 精巣がきちんと降りてきているか心配
  • 陰嚢の大きさが左右で違う

よくある主な病気

小児泌尿器科の病気をいくつか紹介します。

停留精巣

停留精巣とは、精巣が陰嚢の底まで降りずに、足の付け根や陰嚢の上部で止まってしまっている状態のことを言います。停留精巣は意外に多く、男児の約1%にみられるといわれています。
治療は、手術療法が基本になります。停留精巣の原因は、精巣が陰嚢に降りてくる過程で、降りてくるのを邪魔するつっぱりです。そのつっぱりを取ってあげることで、陰嚢に降ろせるようになります。精巣を降ろした後で、陰嚢の中に糸で精巣を固定します。
停留精巣の手術は、昔は小学校に上がる前に行っていましたが、最近では1歳~1歳半頃の手術が勧められています。もし自宅でお子さんの精巣を触って見て、なかなか精巣が触れない場合は、一度泌尿器科外来を受診することをお勧めします。

夜尿症(おねしょ)

夜尿症(おねしょ)は医学的には、5歳以上のお子さんで、1か月に1回以上の夜尿が3か月以上続く状態のことを言います。夜尿症は、小学校に上がる時に、約10%のお子さんに認めるとされており、毎年15-17%の確率で自然に改善していきます。夜尿症の治療を行うことで、治癒率を2-3倍にすることができます。
夜尿症には、下記の治療方法があります。
①生活習慣の改善
②お薬による治療
③アラーム治療
夜尿症でお困りであれば、当院までお気軽にご相談ください。

包茎

包茎とは、おちんちんが剥けずに皮がかぶっている状態のことをいいます。小児期では、包茎であることが普通で、生まれてすぐに皮が剥けていると「尿道下裂」という別の病気が隠れている場合があります。
以前は小児期のうちにおちんちんの皮を剥くことが勧められていましたが、現在は自然に皮が剥けるようになるまで待つことが推奨されています。
ただし、おちんちんが赤くなったり、膿が出たりする場合は(亀頭包皮炎といいます)、塗り薬や飲み薬の治療が必要になりますので、当院の小児泌尿器科を受診してください。炎症を繰り返して、皮の出口が狭くなると、手術が必要になる場合があります。

精巣捻転症

精巣捻転症とは、陰嚢の中にある精巣が捻じれて血液が流れなくなり、精巣が腐ってしまう病気です。症状としては、急激な陰嚢の痛みや嘔吐などがあります。
緊急手術が必要な病気で、6時間以内の手術が勧められており、24時間以上経過してしまうと、精巣はほぼ腐ってしまいます。急激な陰嚢の痛みを認めた場合は、すぐに泌尿器科を受診してください。
当院では、身体診察や超音波機器を用いた診断を行っており、精巣捻転症が疑われた場合は、緊急手術が可能な専門施設への紹介を行っています。
陰嚢の痛みを認める他の病気としては、精巣上体炎(精子の通り道の炎症)や精巣垂捻転(精巣の付属器が捻じれる病気)などがあります。

お気軽にご相談ください

他にも実はたくさんの小児泌尿器科の病気があります。
もし、お子さんのおちんちんやおしっこのことで気になることがありましたら、小児泌尿器科専門診療を行っている当院までお気軽にご相談ください。

小児泌尿器科専門診療の診察日

毎週水曜日 9:00~12:30、14:00~17:00(最終受付 16:30)