腎臓内科

予防にも力を入れている
腎臓内科

慢性腎臓病(CKD:ChromicKidneyDisease)は、成人の8人に1人がかかっているとされ、最近では「新たな国民病」とも言われています。また、CKD全体の6~7割は、糖尿病を原疾患とする糖尿病性腎臓病が原因とされています。
慢性腎臓病(CKD)は無症状で進むことが多く、また、東予地区では腎臓専門医が非常に少ないため、気づいた時には手遅れということも少なくありません。しかし、現在では透析に至るまでの薬物療法などが発達しており、慢性腎臓病(CKD)を早期に発見し、腎臓専門医による適した治療を受ければ腎臓を長持ちさせることが可能になってきています。
検診などで尿の異常(尿潜血、尿蛋白など)や腎障害(血液検査で尿素窒素やクレアチニンなどの値が高い)を指摘された方は、是非お気軽に当院の腎臓内科外来でご相談ください。

【他医療機関から腎臓内科へ紹介受診の場合】
他医療機関から腎臓内科へ紹介受診をされる場合、事前に診療情報提供書のFAX(0896-24-2870)を送信頂けましたら予め診療時間を設定し、出来るだけお待たせしないで診療を行うことが可能です。

当院では、腎臓内科と
泌尿器科の専門医による
診察を行っています

健康診断で「尿蛋白陽性」「尿潜血陽性」を指摘された、または「突然の肉眼的血尿」を自覚するも、何科を受診したらいいのか迷われる方も多いのではないでしょうか?主に腎臓の病気について診療を行う腎臓内科では、軽度の尿検査異常から腎炎・ネフローゼ症候群・糖尿病性腎臓病・腎硬化症に伴う腎障害・腎性貧血などを扱います。

一方、泌尿器の病気について診療を行うのが泌尿器科となります。例えば、腎がんや尿路結石のほか、腎臓以外の尿路腫瘍・前立腺や男性器など男性特有の疾患・排尿障害(頻尿・排尿痛)などの診察を行っております。

<蛋白尿が多い場合・尿蛋白と尿潜血が同時に出ている場合>

腎臓病の可能性があるため

腎臓内科を受診

<尿潜血が多い場合>

結石や癌の可能性もあるため

泌尿器科を受診

と言われていることもありますが、非常に迷うケースが多々あるかと思います。
しかし、当院では「血尿」で来院された患者さんは、原因精査のため「腎臓内科」「泌尿器科」の専門医による診察を行っております。自覚症状や健康診断で「血尿」「蛋白尿」など検尿異常を指摘・自覚されましたら、なるべく早く当院までご相談ください。

対応症状

  • 体がむくむ
  • 血圧が高い
  • 頻尿、多尿
  • 尿が泡立つ
  • 尿に血が混じっている
  • 背中が痛い

よくある主な病気

血尿

血尿とは、尿に血液が混じっている状態です。トイレで確認できる肉眼的血尿と、見た目では分からず検査をして分かる顕微鏡的血尿があります。顕微鏡的血尿は、健康診断などで『尿潜血陽性』と指摘されて分かることが多いです。
多くは、特別な治療を必要としない無症候性血尿が殆どではありますが、中には、腎炎などの腎臓内科的な疾患が原因の場合や、尿路結石・膀胱癌・腎細胞癌などの泌尿器科領域のがん、または膀胱炎などの可能性もあります。特に泌尿器領域のがんでは、血尿が早期発見のきっかけになることがあります。

血尿を調べる検査

尿潜血(尿に血液が混じる状態)がある場合、当院ではまず超音波検査を行います。患者様にとって身体的負担が少ないですし、当院としても手早く行える利点があります。
この検査で得た情報で治療に進むこともありますし、さらに検査が必要であれば、CT検査や血液検査の項目を追加して状況把握に努めます。

蛋白尿

蛋白尿とは尿に蛋白が漏れ出ている状態で、腎臓に何かしらの異常がある場合に出現します。起立性蛋白尿など生理的な場合が多いですが、通常、腎臓からは蛋白は漏れ出ません。腎臓に何かしら異常がある場合に、尿蛋白が出現します。尿蛋白が(2+)以上の場合や、(1+)でも繰り返し陽性となる場合は、早めに腎臓内科にご相談ください。腎炎などの疑いが強く、「腎生検」などの精査が必要な場合には、基幹病院の腎臓内科に速やかに紹介させていただきます。

蛋白尿を調べる検査

蛋白(たんぱく)尿が見られる場合、当院ではまずタンパク質の量を確認します。何らかの疾患による場合もありますが、体質的なことに起因する例、肉体的疲労が顕著な例などもあるからです。
1回の尿検査では判断できないことも多いので、早朝尿を取ることもありますし、血液検査や超音波検査を併用することもあります。

腎不全

腎臓が十分に機能しないと、体内の老廃物をうまく排出できなくなり、放置すると人工透析や腎臓移植が必要になることもあります。
腎不全の対応は急性である場合と慢性化している場合で異なります。
急性期であれば治療によって改善できる例もありますが、慢性化すると改善は困難です。
そのため、食事や水分のとり方に気を付けるなど、日常の暮らし方を変えることで悪化を防ぐ方向で、対処・指導していきます。

腎不全を調べる検査

腎臓の機能が低下するとタンパク質が尿に含まれることが増えるので、尿検査を行うと腎臓の状態を知ることが可能になります。また、血液検査で血清クレアチニンの値を診ることも、腎臓の状態の確認に役立ちます。
血液中に血清クレアチニンが多い場合、腎臓が老廃物をろ過する機能が低下していることがわかるからです。

慢性腎臓病 (CKD)

慢性腎臓病(CKD)の治療には生活習慣病の是正が重要となります。禁煙や肥満の改善が必要であり、食事では腎機能障害の程度によって減塩やタンパク質、カリウムの制限が必要となります。
血圧・血糖・悪玉コレステロールは、食事や薬でコントロールしながら目標値に納まるようにしていきます。またその他にも腎性貧血やアシドーシス(酸性)など腎機能の悪化に伴う様々な症状に対しまして総合的な加療が必要となります。近年では、腎硬化症や糖尿病性腎臓病に対しまして様々な腎機能抑制効果のある内服薬も新たに加わりましたため、慢性腎臓病でお悩みの患者様がおられましたら、当院までお気軽にご相談ください。

慢性腎臓病を調べる検査

血液検査で血清クレアチニンの値が高いことが分かれば、腎臓の機能が低下していることは確認できます。
また、eGFR(推算糸球体ろ過量)という検査値が低い場合も、腎機能の低下は明らかになります。eGFR(推算糸球体ろ過量)は、腎臓が尿の元を作る機能を確認する指標なので、低い場合は異常があると予想できるのです。

多発性嚢胞腎(ADPKD)

多発性嚢胞腎(ADPKD)は、両側の腎臓に嚢胞(液体のつまった袋)ができ、それらが年齢と共に増えて大きくなっていく遺伝性の病気です。嚢胞が増えて大きくなると腎機能が徐々に低下し、60歳までに約半数の患者様が、腎代替療法として透析療法が必要な末期腎不全になります。

近年では、バゾプレシン受容体拮抗薬という薬剤が開発され、多発性嚢胞腎(ADPKD)の進行抑制効果が期待されています。当院でも、バゾプレシン受容体拮抗薬による多発性嚢胞腎(ADPKD)に対する診療・加療を行なっております。今までに多発性嚢胞腎(ADPKD)を指摘されたことのある患者様がおられましたらご相談ください。

多発性嚢胞腎を調べる検査

多発性嚢胞腎の疑いがある場合、過去の病歴や家族に同じ病状の人がいないかを聞き取ります。
また、血尿や腹痛の有無なども伺い、状況を整理してから、身体のむくみや血圧、心音なども診ます。
さらに、超音波検査やCTなどの画像情報を用いて嚢胞の位置を確認しつつ、合併症の有無にも気を配ります。

多発性嚢胞腎について詳しく知りたい方はこちら「ADPKD.JP」

当院では腎臓内科専門医としての信頼を背景に、協力施設である近隣の総合病院と密接に連携を取りながら、腎不全に至らないようにしていくことが腎臓内科医としての使命と感じております。しかし、最適な治療をしていても腎不全に至ることもあります。透析導入になったとしても腎臓内科の治療は終わりではなく、透析医療が必要になった後でも腎臓内科専門医、シャントアクセス専門医、透析科専門医だからできる目線で引き続き患者様の一貫した腎不全の統合的な治療を継続してまいります。

当院で行っている検査

  • 尿検査

    尿検査は、蛋白尿や血尿、尿糖などを知ることができますし、比重やpH値も重要な検査値です。
    方法としては、試験紙を使う場合と尿沈渣の二つがあります。
    蛋白尿に関しては複数回の尿検査が必要です。

  • 血液検査

    血液検査で特に重視されるのは、血清クレアチニンの値です。この数値が大きい場合、腎臓の機能が低下していることが明確にわかります。
    また、数値によって定量的な状況判断も可能となります。

  • 画像検査

    CTや超音波検査などは画像情報を得られるので、数値的な検査ではわからない腫瘍の大きさや位置を確認できます。
    また、結石の有無や、その大きさを知ることにも役立ちます。

透析治療について

腎機能の悪化が一定以上進行した患者様に対して、当院では透析治療も提供しています。
透析を必要とする患者様の場合、合併症のリスクも上昇しているため、食事を含む日常生活への配慮も必要となります。
とはいえ、進行度合いや生活の状況は個人差がありますので、一人ひとりに合わせた治療やアドバイスも行っています。
また、さらに細かいケアが必要と考えられる場合は、より高度な施設をご紹介することも可能です。

血液透析