泌尿器科

男女でかかりやすい病気が
異なる泌尿器科

男性の場合は頻尿・残尿感・排尿困難や排尿障害など、排尿に関する症状が現れやすく、女性の場合は膀胱炎などをはじめとする泌尿器疾患になりやすい傾向があります。
尿に関する不具合を「年齢のせい」とあきらめてしまう前に、症状があったら早めに泌尿器科を受診してください。

当院では、高知大学医学部泌尿器科学講座より派遣された医師による週2回(毎週水曜・土曜)の定期的な診察を行なっております。より詳しい検査また手術が必要な方には、近隣総合病院をはじめとして、県内外の高次医療機関への紹介など患者様にとって最適な医療を提供しております。お気軽にご相談ください。

対応症状

  • 排尿の時間が長い
  • 残尿感で何度もトイレに行く
  • 尿が漏れる
  • 尿が出づらい気がする
  • 尿に血が混じる
  • 下腹部が重くすっきりしない

よくある主な病気

前立腺肥大

前立腺肥大とは、膀胱の下にある前立腺(精液の一部を作るところ)が大きくなる(肥大)ことによって、尿道を圧迫し、排尿障害を起こす病気です。
「尿に勢いがない」「尿の回数が多い」「尿が全く出づらくなる」などの症状が見られます。
前立腺肥大症は50歳代から加齢とともに増加しますが、前立腺がなぜ肥大するのかは、はっきりと解明されていません。
中高年になってホルモンの環境変化が一因と考えられていますが、最近では、肥満や高血圧、高血糖及び脂質異常症、さらにメタボリック症候群との関係が示唆されています。
治療としては、まず内服加療を行います。内服をしても症状が改善しない場合は、前立腺を削り、通り道を広げる手術を行います。

過活動膀胱

過活動膀胱は、「突然トイレに行きたくなり、我慢が利かない」といった「尿意切迫感」を必須症状とする疾患です。そのほかの症状として、頻尿(日中に何回もトイレに行く)・夜間頻尿(就寝後に何回もトイレに起きる)・切迫性尿失禁(尿意切迫感により、トイレまで間に合わずに尿が漏れる)などを伴います。
近年、過活動膀胱で病院を受診する方は増えてきており、40歳以上の約7人に1人が過活動膀胱であるとされています。
過活動膀胱の治療としては、膀胱の急な収縮を抑える薬や膀胱を拡張する薬を用いたり、膀胱訓練(排尿間隔を延長していくことにより、膀胱容量を増加させる訓練)を行ったりします。

夜間頻尿

夜間、排尿のために1回以上起きなければならない症状を夜間頻尿と言います。夜間頻尿の原因は、①夜間多尿②膀胱容量の減少③睡眠障害に大きく分けられます。
夜間頻尿の治療方法は、これら3つの原因によって異なるため、まずは夜間頻尿の原因を明確にすることが重要です。問診や排尿日誌(朝起きてから翌日の朝まで、排尿した時刻と排尿量を記録するもの)を用いて、夜間頻尿の原因を診断し、それぞれに合った治療を行います。

尿失禁

自分の意思に反して、尿が漏れる状態のことを尿失禁といいます。尿失禁の原因として、外尿道括約筋(尿が漏れないように尿道を締める筋肉)の働きが障害され、咳やくしゃみをしたり、重たいものを持った時などに漏れる腹圧性尿失禁と、尿意切迫感により、トイレまで我慢できずに漏れる切迫性尿失禁があります。腹圧性尿失禁と緊迫性尿失禁の両者が合併することがあり、これを混合性尿失禁といいます。
腹圧性尿失禁では骨盤底筋体操や尿道スリング手術(人工のメッシュで尿道を支える手術)を、切迫性尿失禁では薬物療法を主に行うことになります。

尿路結石

尿路結石を体験した方は、突然の激しい痛みを記憶していることが多いと思います。
尿路結石の痛みの強さ、継続時間は都度異なりますので体験によって表現は異なります。何日も一定の痛みが続くことはありませんが、ある程度継続する場合や、治まったと思ったら数時間後にまた痛み出すという例もあります。
整形外科的な痛みであれば、押したりもんだりして痛みの質が変化することもありますが、尿路結石は外的要因で状態が変わらない特徴を持っています。
尿路結石は、サイズや位置によって治療方法が異なります。上記のような症状が認められる場合は、泌尿器科専門医を受診することをお勧めします。

性感染症

性的接触によって感染する病気の総称です(性交だけでなくオーラルセックスも含みます)。
梅毒や淋病、エイズなど有名なものもありますが、ケジラミ症や性器クラミジア感染症、尖圭コンジローマや性器ヘルペスウイルス感染症など多数の種類があります。
感染後も自覚症状が無いものもあり、知らないうちに感染を広めてしまうリスクも少なくありません。
中には不妊につながるものもあるので適切な知識を持って予防すること、早めに医療につなげることが重要です。

前立腺がん

前立腺がん患者数は近年増加しており、男性におけるがんの中で患者数が最も多いとされています。
前立腺がんは主に外腺(辺縁領域)に発生し、ゆっくりと進行するため、早期に発見できれば、他のがんに比べて治りやすいがんであるといえます。
しかし、初期には自覚症状がほとんどないため、発見が遅れることがあります。進行すると最終的には骨やほかの臓器にまで転移することがあるため、早期に発見し、適切な治療を行うことが大切になります。50歳代からは、毎年前立腺がんの検査(PSA)を受けることをお勧めします。

夜尿症

当院では、小児泌尿器科疾患に対する診療も行っております。
日中の尿漏れや夜尿症(おねしょ)でお困りの方は、ぜひ一度受診してください。夜尿症に関しては、生活指導としてまず夕食以降の水分制限や、就寝前の完全排尿を指導します。それでも改善しない場合は、お薬での治療やアラーム療法を開始します。
夜尿症は、自然に治ることも多いですが、治療介入することで、治癒率を2~3倍にすることが出来ます。

当院で行っている検査

  • 尿沈渣

    提出された尿を遠心力で分離し、顕微鏡を使い、視覚的観察を行います。赤血球や白血球のほか、上皮細胞や細菌の情報を細かく取得していくことで、診断・治療に役立てることができます。

  • 血液検査

    体に負担をかけることなく、腎臓・前立腺・膀胱・精巣などの臓器の状態を観察することが可能です。また、残尿など排尿機能を評価することも可能です。

  • 画像検査

    CTや超音波などの画像情報を得られる検査も行います。
    尿や血液からは数値的なデータを得ることが多いですが、画像情報からは問題となる病変の大きさや位置を確認することができます。