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透析室ニュース
第88号「元気で長生きするための7つのポイント」 ー令和7年1月8日発行ー
「新春」
皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
令和7年の新しい年が始まりました。東北や北海道では大雪が報じられる一方、西日本では穏やかな天候に恵まれた新年の幕開けとなりました。しかしながら、これからさらに寒さが厳しくなることが予想されます。どうぞお体に気をつけて、暖かくしてお過ごしください。
さて、年末年始には新型コロナウイルスやインフルエンザが全国的に流行し、多くの地域で感染拡大が懸念されております。特に今年はインフルエンザが猛威を振るい、ピークが1月後半頃と予測されています。感染予防のためにも、手洗いやアルコール消毒、マスクの着用を徹底し、適切な湿度の維持や十分な休養と栄養摂取を心がけてください。また、人混みや繁華街への外出を控えることも重要です。
21世紀も四半世紀を迎えようとする今、世界では依然として紛争が絶えず、多くの人々の生活が脅かされています。ロシア・ウクライナ戦争をはじめ、イスラエル・ガザ戦争やシリア、リビア、イエメンでの内戦が続いています。このような現実を前に、日本政府としても平和の実現に向けて一層積極的な取り組みを進めてほしいと願っています。私たちが日々平和な生活を送れることは決して当たり前ではなく、こうした現実に目を向け、平和を願う気持ちを忘れずにいたいものです。
当院では、本年10月に開院45周年を迎えることとなります。開院以来、誰もがいきいきと人生を謳歌しながら長生きできる医療を目指し、スタッフ一同、日々努力を重ねてまいりました。これからも進歩を続け、皆様の健康と生活を支える存在でありたいと考えております。
今回の透析室ニュースでは、「元気で長生きするための7つのポイント」や「体重管理と減塩」について特集しております。健康的な日常生活を送るための参考にしていただければ幸いです。また、新春恒例となりましたクロスワードパズルも掲載しております。
ぜひ奮ってご応募いただき、楽しいひとときをお過ごしください。
それでは、本年も皆様にとって素晴らしい一年となりますよう心よりお祈り申し上げます。
理事長 溝渕 正行
「院長就任のご挨拶」
この度、私は令和6年10月11日をもちまして、三島クリニックの院長に就任いたしました。
三島クリニックは、地域に根差した医療機関として、44年にわたり透析医療を中心に多くの患者さんと共に歩んでまいりました。これまで築き上げられた信頼と実績を受け継ぎ、さらなる発展を目指して職員一同努力してまいります。
透析医療の黎明期から長きにわたり当クリニックを支えてきた現理事長の意志や方針を引き継ぎ、当院透析患者さんが「元気で長生きできる透析医療」を受けられる環境づくりに更に全力で取り組む所存です。
そのためには、私たち医療従事者が最善の治療を提供するだけでなく、透析患者さんご自身の透析医療に対する「正しい知識と理解」が欠かせません。透析治療の役割や重要性を十分に理解し、日常生活での適切な管理を行うことで、治療の効果を最大限に引き出すことができます。当クリニックでは、患者さんやご家族が透析に関する知識を深められるよう、わかりやすい説明や情報提供にも力を入れてまいります。
また、透析患者さんにとって生命線ともいえるシャント血管の管理や維持にも細心の注意を払い、一人ひとりに最適な治療をお届けします。患者さんが安心して透析を続けながら、充実した毎日を過ごせるよう、スタッフ一丸となりサポートいたします。
三島クリニックはこれからも、地域の皆さまと共に歩み、信頼される医療機関を目指して精進してまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
院長 溝渕 剛士
「元気で長生きするための7つのポイント」
透析をしながら元気で長生きをするためには、いくつかの大切なポイントがあります。今回7つのポイントに絞ってまとめました。それぞれの項目の詳しい内容は、これまでも、そしてこれからも説明を繰り返していきたいと思っております。これらを日々の生活で実践することで、健康を維持し、透析治療をより良いものにしましょう。
- 栄養(特にエネルギーとタンパク質)を十分にとり、体格を維持しましょう
透析患者さんは、透析によってタンパク質の成分であるアミノ酸が体から失われるので栄養不足になりやすいため、エネルギーとタンパク質をしっかり摂取し、体重と筋肉量を維持することが重要です。食事を楽しみながら、体格指数(BMI)が22以上を目指しましょう。リンのコントロールも意識しながら、食事内容を工夫してください。
- 十分な透析を規則的に受けましょう
体内の老廃物や余分な水分を効率的に除去するためには、十分な透析が必要です。医師の指示に従い、透析を決まった間隔でしっかり受けることを心がけましょう。透析不足は健康状態を大きく悪化させる要因になります。
- 透析間の体重増加をコントロールしましょう
透析間の体重増加は、透析間中2日でドライウェイト(基礎体重)の6%以内、中1日で3%以内を目指しましょう。塩分を1日6g未満に控えることで、水分摂取を適切に管理することで、体重管理がしやすくなります。急激な体重増加は心臓や血管への負担を増やしますので注意が必要です。
体重増加のコントロール
- リンのとりすぎに注意しましょう
リンは血管石灰化を引き起こす原因となり、長期的には心臓や血管に著しい悪影響を与えます。リン吸着薬を適切に使用しながら、乳製品やハムなどの加工食品を控えるなどの工夫を取り入れましょう。血液検査の結果を確認しながら管理を徹底してください。
「添加物として無機リンを多く含む食品」
- 感染症の予防を徹底しましょう
透析患者さんは感染症にかかりやすいため、予防が大切です。予防接種を受ける、手洗いやシャント部の清潔を保つなど、基本的な対策を徹底してください。体調が悪いと感じたら早めに医師に相談してください。
- 適度な運動を続けましょう
運動は筋力を維持し、生活の質を向上させるために重要です。散歩やストレッチ、透析中にできる軽い運動などを習慣化しましょう。無理をせず、自分に合った運動を取り入れてください。
- シャントの状態を良好に保ちましょう
体内の血液をとり出すシャントは透析の生命線です。感染や閉塞を防ぐため、シャント部の清潔を保つ、血管を圧迫しないよう注意するなど、日々の管理を怠らないようにしましょう。異常を感じたらすぐに医師に相談してください。
これら7つのポイントを実践することで、透析治療と上手に付き合い、健康的な生活を送ることが可能です。透析患者さんにとって重要なのは、「しっかり食べて、しっかり動いて、しっかり透析を受ける」ことです。この基本を守りながら、無理なく長続きできる生活習慣を築いていきましょう。
「体重管理と減塩について」
新しい一年の始まりを迎え、食事管理も初心に返って体重管理について説明いたします。その中でも特に重要な減塩についてまとめます。
〔食塩と高血圧の関連〕
8gの食塩を摂取すると、約1L(kg)の水分摂取と同等の体重増加につながります。
そのため、体重増加が多い時には食塩摂取量の見直しが重要です。
〔減塩のコツ〕
管理栄養士 田垣 綾菜