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  「立 秋」

皆さん、お元気ですか。体調はいかがでしょうか。暦の上では立秋を過ぎましたが、まだ真夏日・猛暑日が続き、また頻回の低気圧の襲来があったりと不順な天候が続いております。そのため湿気も高く関節痛がひどくなりやすい時期となっています。ぜひ暑さ対策をしっかりと立てて熱中症にならないように気をつけましょう。

また、日本国内では現在新型コロナウイルス オミクロンBA.5変異株が猛威をふるっていて、一向に減少する兆しがみえません。コロナウイルスの感染回避のために外へ運動に出られず、内にこもれば熱中症になりそうな困った状況が続いています。

そこで、今回は新型コロナ対策としては ①三密を防ぐ、②マスクの着用を守る、③手指の消毒をするなど基本的な感染予防をしっかり行っていただくこととして、もう一つの現在の健康を維持するための問題点である熱中症対策について考えてみたいと思います。

以下の記事をしっかり読んでいただきまして、透析生活に支障のない正しい透析患者さんとしての熱中症対策を御自分なりに考えていただければ幸いです。

理事長 溝渕 正行

 

 

熱中症・・・残暑の熱中症に要注意

地球温暖化の影響か,最近では9月に入っても30℃を超える真夏日になることも珍しくありません。また9月は比較的雨の日も多く台風が接近したりもするので,湿度が80%以上になることもあり熱中症を引き起こす要因が真夏と比べてもそれほど減っていません。

「暦の上では秋だから」などと油断していると,思わぬ時期に熱中症になってしまう可能性も。今回は「お盆以降に気を付けたい熱中症対策」を解説します。

人は暑い日が続くと体が慣れて(暑熱順化)、暑さに強くなり、熱中症にかかりにくくなります。ですが一旦暑熱順化しても、涼しい環境で数日間過ごすと簡単に元の状態に戻ってしまいます。ですから、涼しい日が続いたあとに暑さがぶり返した日は注意が必要です。

 

熱中症とは

高温多湿な環境に長時間いることで、体温の調節機能がうまく働かなくなり,体内に熱がたまり、頭痛、吐き気、だるさ、意識障害、けいれんなどの様々な症状が現れてくる状態です。

 

熱中症の対策として、「こまめに水分・塩分を摂りましょう」「暑いところに長時間いるのを避けましょう」といった言葉はよく耳にされたことがあるのではないでしょうか。しかし、透析患者さんが一般的な熱中症対策を行うと、水分や塩分の摂り過ぎに繋がり、結果として、腎不全の悪化や心不全、肺うっ血などを起こすリスクが高くなります。

そのため、透析患者さんでは、「水分補給の仕方への工夫」が必要です。

また、透析患者さんは体温調節能力が低下している方が多く、夏場は体温が高くなりやすい傾向にあります。そのため、最も大切なのが「暑さを避ける」ということです。これは一般的な熱中症対策と同じです。

 

それでは一般的な熱中症対策と、透析患者さんの熱中症対策はどのように違うのでしょうか?

 

暑さを避ける対策

・室内では、エアコン、扇風機などの空調を活用して適した温度・湿度を保つ

・外出時は、その日の気温、熱中症指数を確認し、炎天下となる時間帯を避ける

・屋外での活動時は、日陰に入って休憩をこまめにとるように心がける

・通気性のよい服を着る、帽子や日傘で直射日光を遮る

・氷や冷たいタオルなどで体を冷やす

 

透析患者さんの水分補給の仕方の工夫

〔 汗をかいていない時・汗が少ない時 〕

意識していつもより水分を多くとる必要はありません。また、多量の発汗、下痢、嘔吐がなければ、体内から失われる塩分(ナトリウム)の量は多くないため、あえて塩分を意識して多く摂る必要もありません。水分摂取には水や麦茶を選ぶとよいでしょう。

〔 汗をたくさんかいたとき 〕

汗をたくさんかいた場合は、透析治療中の方も一般の方も、体からナトリウムなどの電解質も失われるため、スポーツドリンクを少しずつ飲むのもよいでしょう。ただし、商品によっては塩分(ナトリウム)、カリウム等が多く含まれているものもあるので注意が必要です。

清涼飲料水の中でも、アクエリアスはカリウムが少なく、比較的塩分も低いためおすすめです。

 

水分を摂り過ぎないためのポイント

体重をこまめに測ることで、水分が足りていないか、飲みすぎていないかを確認することができます。また、1回で大量に水分を摂るのではなく、こまめに少しずつ摂るようにしましょう。そのために、小さなコップを使う、水を飲むのではなく氷を1個なめる、といった工夫もいいかもしれません。

管理栄養士 神原 華奈