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「新春」

皆様、明けましておめでとうございます。暖冬と予想された今年の冬も予想に反して毎日毎日寒い日が続いています。皆様体調はいかがでしょうか。新春早々、国内ではインフルエンザが大流行しています。インフルエンザ後の肺炎も多く発生していますし、感染性胃腸炎も少なからず流行しています。これらの予防には、充分な休養とうがい、手洗いなどをしっかり行う以外に方法がありません。体調が悪い場合には早めに診察を受けて早く治すように心掛けましょう。
ヨーロッパ、中近東を始め世界のあちこちでとても物騒な事件が次々と発生し、ついには日本人にまで危害が及んできました。地球上での平和が実現し、民族間の争いがなくなれば本当に素晴らしいと思うのですが、永久に無理なテーマなのでしょうか。
経済的には、日本政府はデフレーションが解消したと盛んにおっしゃっておられますが、国民の“豊かさ”感は一向に上昇してこないこの頃です。スポーツ界では、サッカー代表がアジアカップで早々と姿を消し、日本人力士の活躍できない大相撲も終わり、全豪オープンでの錦織選手の準々決勝敗退と全くいいニュースがないのが寂しいところです。

さて今回の透析室ニュースでは、不感蒸泄の少ない冬になり透析間の水分増加が大きくなりやすい季節となっていますので、「口~喉の渇きをどうしたら減らせるか」をとりあげました。ぜひ参考にしていただいて、肺や心臓の周囲に水分が溜まったりしないようにして下さい。また、2月15日の講演会でも講師の加藤先生が御話しいただけると思いますが、今回ちょっとした「運動療法について」もとりあげましたので、ぜひ目を通して実行してみて下さい。そして講演会に参加していただきまして、透析医学会の権威であられる加藤先生が「丈夫で長生きするためにはどうしたらよいか」を話して下さいますので、御自身の耳でしっかり聞いて実行していただきたいと考えています。

理事長 溝渕 正行

 

口の渇きの改善の工夫

皆さんの多くが口が渇く経験をお持ちだと思います。口の渇きの改善には、まず食塩を制限することが重要です。塩分を多くとった後の口の渇きや喉の渇きを我慢できる人はいません。
食事では、口の中が渇いていると飲み込みにくくむせやすくなり水分摂取量が増えるという可能性があります。卵やながいもといった粘質の食品やマヨネーズなどの油分で料理をコーティングしたり、豆腐やヨーグルト、甘味料の少ないゼリーなどを取り入れましょう。さらに酸味のある食材で口の中を刺激する、とろみ料理で飲み込みやすくするなどの工夫もあります。とろみ料理のうちあんかけ料理は、中身の具剤は薄味にして、あんに味をつけると減塩もしやすい料理です。
また、噛む回数を増やすことで唾液の分泌が活発になり、飲み込みやすくなるだけでなく、虫歯予防にもなるため、ひと口30回を目標にゆっくり食べることをお勧めします。

口の中をうるおわせ清潔に保つ
口の中をうるおわせるには、加湿器で部屋の湿度を保つ、寝る時はマスクをする、レモン汁を入れた氷をなめる、ガムを噛む、飴をなめるなどの工夫をしましょう。ガムや飴は酸味のあるタイプや甘くないもの、キシリトール配合のものを選ぶようにしましょう。スプレー飲料で保湿成分であるヒアルロン酸が配合されたウエットケア(※)も市販されています。
※ウェットケア
・お口の中にスプレーすることで口腔内がうるおいます。
・唾液にも含まれる生体保湿成分ヒアルロン酸とさわやかな酸味が、うるおいを保ちます。
また、虫歯や歯周病予防に口の中を清潔に保つことも大切です。食後の歯磨きやマウスウォッシュを使用するのがいいです。

〔透析ケア(メディカ出版)2013年夏季増刊、清永会 矢吹クリニック 中嶌美佳先生の「口渇感改善の工夫」を参考にさせていただきました。〕

 

運動療法 ~運動で体力を維持しましょう!~

透析で筋肉が減少し、体力が低下すると運動もしにくくなります。食事療法とともに適度の運動で改善を図りましょう。
体力を使う激しい運動(無酸素運動)よりもウォーキングやジョギング、水泳、ストレッチ程度のゆっくりした有酸素運動を行います。特に、運動の中心となるのはウオーキングです。ウォーキングは下肢だけでなく体幹や上肢の筋肉も使いますので全身運動といえます。また、歩きながら風景や会話も楽しむことで精神的な効果も得られます。 ウォーキングは「楽に感じる」程度の速度で10分間程度から始めて徐々に時間、距離を伸ばしてゆきます。初めから頑張りすぎると関節痛や筋痛を引き起こしたりしますので注意が必要です。継続した運動は代謝を活発にし、汗も出しやすくします。
運動の強度に応じて1日30分程度を目安に、透析日以外の日を選んで行うようにします。倦怠感や疲れやすさがある時は、日常の家事動作の中でなるべく体を動かすようにします。雑巾がけ、草むしり、ふろ掃除などは意外に運動になります。
血圧が高すぎたり低すぎたり、動悸や息切れがある時は、無理をしないで運動を中止しましょう。

【運動を続けることで期待される効果】

・QOL(生活の質)、ADL(日常生活活動)が改善します。
・血圧のコントロールがしやすくなります。
・インスリンの感受性が良くなり糖尿病がコントロールしやすくなります。
・内臓脂肪が減ります
・筋肉量の低下を防ぎます
・高脂血症が良くなります
・骨粗しょう症を予防します
・抵抗力が上がります
・気持ちが明るくなります
・死亡率が下がります

 

椅子に座って行う前屈運動について

介護予防運動指導員 外山 早苗

<前屈で足元確認> ~背中の曲げ・起こし~
① 手を膝の上に置き、背中をまっすぐに伸ばします。
② 息を吐きながら、おじぎをするようにゆっくりと前に倒します。
その後、ゆっくりと上体を起こします。
③ 最初は腕の力で上体を起こすようにし、慣れてきたら背中の
力だけで起こすよう心がけます。
④ 4~8回繰り返します。
* 背筋を鍛えます。
* 腰痛の人は無理しないようにしましょう。
* 上体を前に倒した後、反動をつけずにゆっくりと起こすようにし、
「頭の重さを感じられる」ように意識します。
* 慣れてきた人は手を後頭部に当てて行うとより負荷が増します。

<脚のステッキ前屈> ~脚の裏側伸ばし~
① 椅子に浅く座り、片足を伸ばします。
② 脚の付け根部分に手を添えます。
背中を伸ばしたまま、上体を腰からゆっくりと前に倒します。
③ 股の後ろ、膝の後ろ、ふくらはぎの後ろ側が伸びたところで少し止め、
その後上体をゆっくりと起こします。
* 脚の裏側の筋肉をほぐします。
* 上体を倒す際、足首を手前に引くように曲げます。
* 腰痛の人は無理をしないようにしましょう。
* 反動をつけずにゆっくりと行いましょう。

 

インフルエンザに気をつけましょう!

インフルエンザが流行しています。十分お気をつけください。

インフルエンザを予防するには

  • 外出後の手洗いとうがいをきちんと行う
  • 栄養と休養を十分取る
  • 人ごみを避ける
  • 適度な温度、湿度を保つ
  • マスクを着用する

といったことをお勧めします。

感染予防・感染拡大防止のため、咳エチケットを守りましょう。

【咳エチケット】

  • 咳やくしゃみを他の人に向けて発しない
  • 咳が出るときはできるだけマスクをする
  • 手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時は、すぐに手を洗う