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「年の瀬」

平成26年もいよいよわずかを残すのみとなり、毎日乾燥した寒い日が続いています。風邪や感染性胃腸炎、インフルエンザも流行していますので手洗をはじめ、外出時のマスクの着用、外出より帰宅時のうがいの励行などによってこれらの感染症の予防に努めて下さい。
政治的には衆議院議員選挙も終わりちょっと一服といったところなのでしょうか?しかし、政治にしても経済にしても医療にしても決して休みはありません。暮れもお正月も健康には十分気をつけていただきたいと思います。
今回の透析室ニュースでは、寒くなって閉じこもりがちとなり運動の機会も減少しがちになりますので、室内でもできる運動を通じて身体を動かす方法とその意味に関しまして、「ロコモティブシンドローム」について考えてみたいと思います。また、お正月が近づいていることですので、暮れから正月にかけて食生活の上でこの時期に気をつけるポイントについて、その意味を含めて解説させていただきます。また頭の働きを活性化させるための「指の運動」についての解説もさせていただきます。寒い時期が続きますが負けずに少しずつ頭と身体を働かせて健康維持に努めて下さい。
今年もクロスワードパズルを出題させていただきますので正解をお待ちしております。どしどし御応募下さい。

理事長 溝渕 正行

 

ロコモティブシンドローム ~タンパク質摂取のススメ~

ロコモティブシンドローム(ロコモ)とは、日本語に直すと「運動器症候群」という意味で、立つ、歩く、走る、上るといった移動に関わる筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板などに障害が起き、歩行や日常生活に支障をきたして要介護になるリスクの高い状態になることをいいます。

ロコモティブシンドローム


※ サルコペニアとは加齢により筋肉量が減少することで、ロコモの主な要因の一つです。

ロコモティブシンドロームになりやすいかどうかは、「ロコチェック」を使って簡単に確かめることができます。7つの項目はすべて、骨や関節、筋肉などの運動器が衰えているサインです。

① 片脚立ちで靴下がはけない
② 家の中でつまずいたり滑ったりする
③ 階段を上がるのに手すりが必要である
④ 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
⑤ 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1リットルの牛乳パック2個程度)
⑥ 15分くらい続けて歩くことができない
⑦ 横断歩道を青信号で渡りきれない

ロコモ予防のキーポイントは筋肉です ・・・・・・
ロコモは体の運動器の障害がバラバラに起きて進行するのではなく、骨・関節・筋肉などで起きた障害が他の機能の障害へと連鎖して進んでいくと考えられています。予防対策には骨・関節のケアが注目されていますが、運動器障害の改善には「筋肉」が重要な働きを担っています。

ロコモ予防・筋力アップの重要性 ・・・・・・
骨に付着して,関節を動かし,体を支える役割をしている筋肉が骨格筋です。この骨格筋は自分の意思で動かすことができ、運動や栄養によって高齢になっても増やすことが可能です。骨の周りの筋肉を鍛えることで、骨や関節が筋肉で守られ安定し、バランスを崩しての転倒、骨折、関節痛や腰痛などの回避につながります。ロコモ予防として筋力をアップすることを考えましょう。

80歳からでも筋肉量が増加し、筋力アップ ・・・・・・
筋肉・骨・関節のうち、骨と関節は一度加齢による機能低下が始まると、改善するには病院での治療や手術が必要になるなど、回復が難しくなる場合があります。ところが、筋肉は何歳からでも日常生活の中でケアをすることで鍛えることができるのです。

筋力アップに必要なものは ・・・・・・・
筋肉は運動だけでは消耗して筋力が低下し、運動せずに栄養だけでは霜降り肉のような状態になってしまいます。つまり、運動・睡眠休息・栄養(特にタンパク質)が大切なのです。
高齢になると食事の量が減り、必然的にタンパク質の摂取量も減ります。また、体内でのタンパク質の合成力も低下します。そのため、毎日の食事では、筋肉に効果的な動物性タンパク質をしっかり摂ることを心がけましょう。
しかし、タンパク質が多い食物にはリンも多いので、リン吸着薬(リンを下げる薬)の服用も忘れないでください。「肉や魚や卵などをしっかり食べて、リンの薬をしっかり飲む」ことが重要です。

ロコモ対策に必要な「運動」については、改めて別の機会に特集したいと思います。

 

お正月の料理について

管理栄養士 高石 美由紀

おせち料理は、日持ちをさせるために、味つけが濃く調理されています。
透析間の体重増加(水太り)を防ぐためにも、食塩の摂取量に気をつけましょう。
※ 塩分をとると、のどがかわき、自然に水分をとりたくなります。
最近はおせちに加工食品や出来合いのものを利用される方も増えています。それぞれの料理の特徴(栄養成分)を知り、種類や量を上手に調整してお正月料理をお楽しみください。
家庭でお煮しめを作るときは、野菜を下茹でしてカリウムを減らしましょう。
お正月はおとそをはじめ、アルコール類を飲む機会が増えるかもしれません。
お酒は、「水分」であることと、「エネルギーが摂取されている」ことを意識しましょう。また、酒の肴(さかな)の味付け(特に塩分の濃い物)にも注意しましょう。

 

指の運動について

介護予防運動指導員 外山 早苗

<指の押し合わせ>
① 胸の前で両指先同士を合わせます。
② ゆっくりと押し付け合いながら、指の付け根部分までくっつけます。その後、ゆっくりと力を緩めていきます。
③ 4~8回繰り返します。
*指の力が向上します。
*手の平を合わせるのではなく、指だけを合わせるようにします。
*慣れてきた人は、指先を合わせたまま、少し肘を上げましょう。刺激がより強くなります。

<指先の屈伸・伸展>
① 脚を肩幅程度に軽く開いて、両肘を曲げます。
② グーの手はしっかりと握って、パーの手は指先まで伸ばしましょう
③ 自分の手を見つめながら、テンポ良く開閉します。
④ 右手左手を入れ違いにグー、パーをして、10~15回繰り返します。
*しっかりと指の先まで力を入れて伸ばしきるように開き、いっぱいに閉じましょう。
*目の働きも促進しますので、注意力を回復する運動です。
*動作を繰り返すことによって、指の力が向上します。