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厳寒

いよいよ12月も中旬となり、法皇山脈の紅葉も進み北風が吹きつけて非常に寒い日が続いていますが、皆様の健康状態はいかがでしょうか。最近は四国中央市でもインフルエンザの患者さんが少しずつ増加しつつあります。暖かくして栄養をしっかりとり、外出時にはマスクを着用し、帰宅時には手洗、うがいを励行してインフルエンザをしっかり予防して下さい。
さて、三島クリニックではいよいよ1月より透析室の増改築工事が始まります。この工事により食堂やロッカールームの拡張、待合室の改善、多少のベッド数の増設などが予定され、皆様方の透析環境が改善されより快適に過ごしていただけるものと考えています。一定期間皆様には多々御迷惑をおかけするとは思いますが、ご辛抱の程よろしくお願い致します。
また1月15日(日)には後でも記載しましたように東京女子医大の秋葉隆教授をお招きしての講演会を実施する予定です。どうか、目下の日本透析医学会の重鎮でありリーダーでもある秋葉先生のお話を聞いて、皆様の透析ライフの参考にしていただけたらと考えておりますので奮って御参加下さい。

理事長 溝渕 正行

 

血糖コントロールの検査の変更について~HbA1cからグリコアルブミン(GA)へ~

糖尿病は血糖値が高くなる病気です。血糖値が高い状態(高血糖)が続くといろいろな合併症が起きてきます。そのため、「血糖コントロール状態をチェックし、良いコントロールを維持する」ことが重要です。血糖コントロールを続けていれば合併症は起きにくくなります。
血糖コントロール状態を調べる検査として、ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)グリコアルブミン(GA)があります。
今までは、血糖コントロールの検査としてHbA1cが調べられていましたが、透析患者さんではHbA1cが実際の血糖に比べて低い値を示してしまうことが分かってきました。また、透析患者さんの血糖コントロールの指標としてはHbA1cよりもグリコアルブミン(GA)の方が優れているとの報告が多数なされてきております。
そこで、当院においても2011年12月より、血糖管理の検査としてHbA1cに替えてグリコアルブミンの値を調べることにいたしました。それに伴って、皆様にお渡ししている「体調の評価」の中の検査項目もHbA1cからグリコアルブミンに変わっておりますのでご注意ください。

HbA1cとグリコアルブミンの違いとしては、
HbA1cは、検査を受けた時点から過去1~2カ月間の血糖コントロール状態を反映する検査です。基準値は4.3~5.8%で、血糖値が高い状態が続いていると数値が高くなります。長期間の血糖コントロール状態を把握できる便利な検査で、現在、糖尿病検査の標準となっています。ただし、治療効果や病状の悪化を把握するのに時間がかかること、また、動脈硬化と密接な関係があるといわれる食後の高血糖が反映されにくい、といった注意点があります。
グリコアルブミン(GA)は、検査を受けた時点から過去2週間の血糖コントロール状態を反映する検査です。基準値は11~16%です。血糖値が高い状態が続いていると数値が高くなります。血糖コントロールの改善や悪化などがすぐに検査値に反映され、治療法を変更した際の効果を確認しやすい、食後の高血糖も見逃しにくいといった特徴があります。

血糖値が安定している場合には、グリコアルブミンはHbA1c の約3倍の値を示します。グリコアルブミン を用いた血糖コントロールの指標を表にしましたので参考にしてください。

糖尿病のコントロール指標
血糖安定時、グリコアルブミンはHbA1cの約3倍になります。 数値(%)

糖尿病のある方は、グリコアルブミンで20%未満(HbA1cだと6.5%未満)を目標に血糖管理をしてください。

 

「第11回三島クリニック講演会」のご案内

毎年ご好評の講演会を来春、下記の予定で行います。
講師の先生は、日本の透析療法学会の権威であられる秋葉隆先生に御依頼しております。

◆ 日時 平成24年1月15日(日曜日) 午前10時
(当日は9時30分までにご来場下さい。)
◆ 場所 コスモパル
◆ 演題 「透析で末永く」
◆ 講師 東京女子医科大学
腎臓病総合医療センター 血液浄化療法科
教授 秋葉 隆 先生

秋葉先生をお迎えしての講演は、またとない機会でございますので、御家族お誘い合わせのうえ、ぜひ御参加ください。
なお、皆様のお知り合いで、他の施設で透析を受けられている方で参加ご希望の方がいらっしゃいましたら、ぜひお誘いください。
(他の施設で透析を受けられている方が、講演会出席を希望される場合は、申込書を提出していただく必要がありますので、お申し出ください。)

 

学会発表について

今年、当院では学会・研究会において9演題の発表を行いました。

第56回日本透析医学会学術集会  2011年6月17日~19日
演題1、当院維持透析患者の睡眠障害について
~ESSテストを使用しての睡眠状態の把握に努めて~
発表者 吉川 基樹

演題2、2段RO膜装置TW-1800RDHの使用経験
~トータルクリーン化システムを導入して~
発表者 野村 祐介

第22愛媛人工透析研究会     2011年8月27日
演題1、東レ透析管理システムMiracle DIMCS21を利用した
「定期検査チェック表」の作成
発表者 田辺 三恵

演題2、全自動コンソールTR-3000MAによる自動返血設定の検討
発表者 野村 祐介

第45回四国透析療法研究会    2011年10月30日
演題1、当院の血液透析患者における塩分摂取量に関しての検討
発表者 高石 美由紀

演題2、2段RO膜と熱水消毒を組み込んだトータルクリーン化システムを
導入して   ~ESA製剤使用量、栄養指標等の変化~
発表者 野村 祐介

演題3、当院の糖尿病透析患者の塩分摂取量、体重増加、血圧に関しての検討
発表者 秋山 智

演題4、当院の透析患者のABI(足関節/上腕血圧比),
PWV(脈波伝搬速度)についての検討
発表者 吉川 基樹

演題5、必須アミノ酸製剤アミユー配合顆粒服用の効果
発表者 吉川 基樹