骨粗鬆症

骨の量が減って弱くなり
骨折しやすくなる病気

「骨粗鬆症」は骨の密度や質が低下して強度も下がることで骨折が起こりやすくなる病気です。
男女ともに年齢が上がるほど発症しやすい特徴を持っていますが、80歳代後半の男性の発症率が3割程度なのに対して、同年齢の女性は5割を超えるほど発症しやすいことが知られています。
これは年齢とともに女性ホルモンの分泌量が低下することや、カルシウムを吸収する力が弱まるためです。

骨粗鬆症による骨折

閉経後の女性は骨粗鬆症を起こしやすいことが知られており、その傾向は年齢が上がるほど顕著になっていきます。
骨粗鬆症は発症していても気づかない方も多いのですが、「背が縮んできた」、「腰痛を感じることが増えた」、「背中が曲がってきた」といった現象も骨粗鬆症に起因する可能性があります。
骨粗鬆症にかかっていると、さほど強くない力でも骨折が起こりやすいため、気づかないうちに骨折しているという例も少なくありません。骨折が起こりやすい場所もある程度特定されており、50~60歳では手首の骨折が多く見られます。その後年齢が上がるほど背骨や腕の根元などにも起こるようになり、次第に脚の根元にもリスクがおよびます。ただし、ここに紹介した部位だけでなく、負荷がかかる部分は生活状況で異なることはご理解ください。
脚の根元を骨折した場合、ほとんどは手術が必要で、その後歩行機能が低下する傾向が多く見られます。

骨粗鬆症の診断

従来の測定方法より安全に・より正確な骨密度検査

全身用X線骨密度測定装置 PRODIGY Fuga

従来、骨密度の測定はある程度の把握が限界とされていました。しかし、当院が導入している全身用X線骨密度測定装置 PRODIGY Fugaを用いれば、正確に骨密度が把握できるので、それぞれの方に対して必要な対応を提供することが可能となりました。
高齢化が進む日本社会だからこそ、当院をご利用される地域の方々により多くの安心と健康をお届けするため、当院は設備の拡充や新たな治療方法の導入などに対して余念がありません。

当院の骨密度検査のポイント

  • 従来に比べて短時間での
    検査・解析が可能
  • 高画質でデータを取得し、
    より正確な数値を測定
  • 低被ばくなX線と短時間の検査で、
    患者様の負担を軽減

その他の検査

  • X線検査(胸腰椎2方向)

    骨粗鬆症にかかっていると、骨の密度や質が低下するので、圧迫骨折や骨の変形が起こりやすくなります。当院ではその点を踏まえながら、特に胸部と腰椎の2方向のX線検査を行って問題の有無を確認しています。このとき、他の病気の可能性も考慮することが重要です。

  • 血液検査

    血液検査では、特に骨代謝マーカーに着目します。
    骨代謝マーカーとは、骨の代謝が行われていることを示す物質なので、数値の高低によって骨密度の低下速度や骨折のリスクを可視化できるのです。
    また、血液検査は骨粗鬆症以外の疾患についても検査できる有効性があります。

骨粗鬆症の治療

骨粗鬆症の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法の3本柱があります。

  • 食事療法

    骨粗鬆症の食事療法というと、カルシウムの摂取に意識が向きがちですが、ビタミン類の摂取も重要です。
    基本としてカルシウムは1日に800mg程度を目安として、ビタミンD、Kも意識的に取り入れましょう。
    ビタミンDが不足すると骨はもろくなっていく傾向が強くなります。
    また、ビタミンKは骨の形成を促進するだけでなく、骨の破壊を防ぐ作用があるので、骨粗鬆症の予防・治療に効果を発揮します。

  • 運動療法

    適度な運動で骨にある程度負荷をかけることは、骨の強度を保つために非常に重要です。また、筋肉を使うことも身体を支えることに役立ち、年齢が上がった人に見られがちな転倒を防止する効果があります。
    とはいえ、いきなり激しい運動をすることは好ましくありません。散歩など、日常生活の延長にもなるような運動を無理なく取り入れ、継続していくことを意識しましょう。また、背筋を鍛えると脊椎の骨折が起こりにくくなることも覚えておきましょう。

  • 薬物療法

    骨粗鬆症の治療薬には、主に「骨吸収抑制薬」と「骨形成促進薬」があります。
    それぞれの作用は名称通りではありますが、骨吸収抑制薬は骨の吸収(破壊されること)を抑える効果があります。
    また、骨形成促進薬は骨が新たに作られることを助ける薬です。
    そのほかにも補助的にビタミンDやビタミンKの製剤を処方することもあります。また、薬剤の処方は服用中にも検査を行いながら変更することがあります。