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「新春」

皆様少し遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。もうすぐロシア・ソチでの冬季オリンピックが始まろうとしています。年が明けても寒い日が多く予想された通りノロウィルスをはじめとする感染性胃腸炎やインフルエンザが猛威をふるっています。うがい、手洗をしっかりして予防に努めて下さい。また休養を十分にとって身体をゆっくり休めて下さい。もし不幸にも感染した場合には早めに治療をうけて下さい。
さて今回の透析室ニュースでは、気温が低く汗が出にくい今の時期ついつい水分増加が大きくなりがちですので水分増加を抑える上手な水分のとり方と心停止やしびれ、不整脈の原因となるカリウムを控える方法などについてのお話をさせていただきます。さっそく実行して水、カリウムを減らして下さい。透析患者さんの長生きにとって最も重要であるリンにつきましては2月9日の三島クリニック講演会におきまして、「何故リンが上がると悪いのか? リンを上げないためにはどうしたらよいのか。」などについて詳しく説明をさせていただく予定ですので是非御参加いただきますようお願い致します。

理事長 溝渕 正行

 

体重増加の多い(水分が増えすぎる)人のために(Ⅱ)

管理栄養士 高石 美由紀

体重増加(水分増加)を抑えるために、食事の量を減らすことはやめましょう。そういうことが長期に続けば栄養障害を招く危険性もあります。
上手な水分管理をするには、積極的な水分管理と塩分コントロールが大切です。
意識して積極的な水分管理を実行すれば、しっかり食べても体重増加は抑えられます。
積極的な水分管理とは 次のようなことをいいます。
① 1日に飲んでよい水分量を覚える。
〔1日に飲む水分量は、500ml~600ml(ペットボトル1本)程度にしましょう。〕
② 1日に飲みたい水分の計画を立てる。
③ おもてなしなどで出された水分は全部飲まない。
④ 制限があっても飲むことを制限内で楽しむ。

たとえば、「朝はトーストを食べるので、必ず紅茶を100ml飲む、15時は仕事で眠気覚ましに香りのよいコーヒーを100ml飲む、夕食には食前酒として梅酒を50ml楽しむ」などのように、決められた量の中で、1日の計画をきちんと立てるのが積極的な水分管理です。あれもダメ、これもダメと思い、制限がつらく暴飲暴食してしまう時にはぜひ1日の水分の計画をたてて、その中に飲みたいものを上手にとりいれ、満足感のある水分管理をしましょう。

注意: みそ汁やスープなどの汁も飲む水分の計算にいれます。また氷(1個の水分15~20cc)、うがい(1回6~10ccの水を飲んでしまいます)もいれます。

 

カリウムをひかえましょう

管理栄養士 守屋 美佳

カリウムは調理の工夫で少なくすることができます。
生野菜は細かくきざんで水にさらしましょう。野菜やイモ類は、ゆでたり、煮たりしましょう(ゆで汁・煮汁は捨てる)。
果物を生で食べる場合は、多くならないように量に注意しましょう。
(1日の目安は1/2個~1/4個程度、ミカンなら1個までにしましょう。)

カリウムを多く含む食品

  • バナナ
  • ミカン
  • モモ
  • リンゴ
  • カキ
  • 干し柿
  • ナシ
  • メロン
  • スイカ
  • キウイ
  • ホウレンソウ
  • サツマイモ
  • 干し芋
  • サトイモ
  • ジャガイモ
  • ニンジン
  • トマト
  • 白菜
  • 100%果汁ジュース
  • 野菜ジュース
  • 青汁
  • タケノコ
  • ウド
  • タラの芽
  • チョコレート
  • アーモンド
  • ピーナッツ
  • コーヒー

カリウムが高い時の症状

  • くちびるや舌がしびれる。
  • 手足がだるい。力が入らない。
  • 腰が抜ける感じがする。
  • 胸が苦しい。動悸がする。脈が乱れる【ひどい場合には心臓が止まります。】

果物や生野菜を多く食べた後にこのような症状がある時は、砂糖水を飲んだり、高カリウム血症治療薬(アーガメイトゼリーやミタピラリンという薬です)をのんで急いで来院してください。

注意:砂糖水を飲むのは細胞内へカリウムを移動させる効果がありますが、応急処置に過ぎず、あくまでも一時的なものです。
運転中に苦しくなって交通事故を起こしかねないので自分で運転して来院しないでください。

 

かぜ・インフルエンザ・感染性胃腸炎に気をつけましょう

かぜ・インフルエンザが流行しています。お気をつけください!

かぜ・インフルエンザを予防するには、
○ 外出後の手洗いとうがいをきちんと行う
○ 栄養と休養を十分取る
○ 人ごみを避ける
○ 適度な温度、湿度を保つ
○ マスクを着用する

感染性胃腸炎(特にノロウィルス)に注意しましょう!

ノロウィルスは、感染力が強く患者の便や吐いた物を介して感染が広がります。感染から発症まで1~2日間かかります。主な症状は吐き気、嘔吐(おうと)下痢、腹痛です。その他,頭痛,発熱(37~38℃)などかぜとよく似た症状がみられる場合があります。通常は,発症後3日以内に治癒しますが、その後2日間程は他人への感染の危険が残ります。激しい嘔吐や下痢により急激に水分を失うことがありますので、特に乳幼児や高齢者では脱水症状に気をつける必要があります。

予防のポイント
○ 感染予防対策としては、手洗いが最も大切です。調理の前、食事の前、トイレの後は、せっけん(液体せっけんが望ましい)を使用し、流水で十分に手を洗いましょう。
○ まな板、包丁、ふきんなどはよく洗浄し、熱湯などで消毒しましょう。
○ 食品を加熱調理する場合は十分に加熱しましょう。(中心部85℃,1分以上)
○ 水道水以外の飲料水は、煮沸して飲用しましょう。
○ 二枚貝や生鮮魚類を生食する場合は,生食用・刺身用などを確認しましょう。
○ 下痢、嘔吐などの症状がある時には調理に従事しないようにしましょう。

 

椅子に座って行う腕、肘の運動について

<指そらし>
① 親指を除く4本の指を、もう一方の手で持ちます。
② 息をゆっくりと吐きながら、片側の指を手の甲側に反らします。
③ 2~3秒程度反らした後に緩める動作を3~5回繰り返し、反対の手も同様に反らせます。
④ 3~5回繰り返します。
(反らすときはしっかりと肘を伸ばし、緩めるときはゆっくりと手前に引くようにしましょう。)
前腕を刺激し、指の関節も柔らかくなります。

<肘の上げ下げ>
① 親指を軽く肩にあてます。
② 肘を大きく上げた後、ゆっくりと下げます。(脇を閉じます。)
③ 5~12回繰り返します。
(肘を肩よりやや高く上げると刺激が強くなります。息を吸いながら肩を上げ、吐きながら下げましょう。)
腕や肩の筋肉がほぐれ脳の刺激にも有効です。筋肉がリズミカルに収縮することで、血流がよくなります。またその結果、シャントを強化し良好に維持することができます。
長期間続けることによって効果があらわれますが、透析直後は避け、体調が悪い時には体操を中止しましょう。