講演会
第1回三島クリニック講演会
開催日 | 2001年1月28日 |
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講師 | 松山赤十字病院 腎センター所長 原田 篤実先生 |
演題 | 「透析患者さまが長生きをするための方法」 |
講演要旨
透析患者さんが長生きするためには、「体液量の調整、血圧管理」が最も重要である。
塩分と水分のとり過ぎは、透析間の体重増加(体液量増加)を招き、それによって血圧上昇、心臓の負担増が起きる。体重増加は、1日あきでドライウエイトの3%、2日あきで5%までに抑える。
透析患者の死因となる脳血管障害は、脳出血やくも膜下出血が多く、脳血栓や脳梗塞は少ない。血圧のコントロールができていれば脳血管障害の心配も少ない。
しっかりと蛋白とカロリーをとりカリウムとリンを制限する。
血液透析、CAPDでも蛋白が喪失している。だから、透析をうけていて蛋白をとらないと、体はやせていき透析負け(栄養状態不良)を起こしてしまう。そうなると、感染症にもかかりやすいし、その治療も困難になる。したがって、充分な透析療法を続けていくためには、しっかり食べることが基本である。
検査データについて
① BUN(尿素窒素)
目標値 透析前値 80mg/dl以下
高い場合は、透析不足、蛋白の過剰摂取が考えられる。また、異化亢進(食事がとれない状態が続いているような場合に起きる)、感染症、外傷、出血などがある場合にも上昇する。BUNは、低いほどいいというわけではなく、低い場合栄養不良のこともある。
② 貧血
目標値 ヘマトクリット値で30%以上
③ カリウム 目標値 5.5mEq/l 以下
6.0mEq/l以上は危険である。カリウムが高くなるのは、ほとんどの場合、カリウムを多く含む食物の過剰摂取であるが、消化管出血や感染症がある場合にも上昇する。
④ カルシウム、リン
目標値 カルシウム 4.5~5.0mEq/l、リン 4.5~5.5mg/dl
異所性石灰化の予防、二次性副甲状腺機能亢進症の予防及び治療のためには、リンのコントロールが重要である。
⑤ 心胸比
目標値 50%以下
(心筋肥厚がある場合は55%以下目標)
⑥ 総蛋白、アルブミン
目標値 総蛋白 6.5g/dl以上、アルブミン 4.0g/dl以上